「海のふた」 よしもとばなな B-


「ずっと、うみのふた、あいたままだよ。」


目の前にあるものをできるだけやりすごさないでいたい、と思う最近の思いに、少しだけ近しかった。ばななさんの小説のキャラクタは、最近の自分は「こんなにながく喋るのかな」みたいな、劇的、なものを感じるのだけれど。今の私と、呼吸や、思考の速さが大きくずれているんだろうか、と思うような。でも、その違和感を抱きながらも、海の感触をいろいろと想像した。


つぐみ」を、今のばななさんが書くと、こんな感じになるような気がする。