「ハゴロモ」 よしもとばなな C+

ひらがなにひらかれてから、よしもとさんの心に近く思うことが少なくなったのは、
タイミングなのか、自分が変わったのか、書かれるひとが変わったのか。
無くした不倫の恋と、そのあとたどり着く田舎の暮らし。
姉妹になったかもしれなかった女の子とのやりとり。
バスステーションのやさしいかみさま。
今もなおつながっていた遠い日の奇跡。

小説は感情移入のためにあるのではないんだけど、誰にも感情を持っていかれず、
流れていくお話の流れがずっと見ている夢のよう。
ただひとこと、ひっかかったことば、
「すべての無理が歪みを生み続けている」みたいな表現。
ああそれはなんだかとても納得できるなー。