「アナザヘヴンvol.2」 飯田譲治/梓河人 全4巻 B


アナザヘヴン」は、小説も映画も好きという大変珍しい作品でした。飯田氏の作品は、映像化が前提にあるのか、メディアミックス!だったからなのか、映像と文字とがお互いを映しあい補完しあう理想的な関係にある気がします。映画の配役も(学はもっと女性的というか、中世的な美しさのイメージもありましたが)非常にぴったりで。特に盗聴マニア(幕田)=加藤晴彦と、飛鷹刑事=原田芳雄はすばらしく良かったです。ミズにとりつかれる柏木千鶴も美しかった。

で、すごく好きな作品だったのですが、TVドラマでシンクロしてた「アナザヘヴン〜eclipse〜」はよくわからず。2話ぐらいレンタルして終了していました。

この「vol.2」は、TVドラマ補強版だったようです。見ていた1〜2話までを、5〜6年前のことなのにくっきり思い出させられました。で、最後まで読んで、今更、ああドラマを通してみたい!!とじたじたしました。主役の大沢たかおがぴったりです。黒川=篠井さんは、「美しい男」だったかどうかはともかくとして、もっと見たかった感じ。

ただし非常に世界観がスピリチュアル。なので、万人に薦めるのにためらう。(十分エンタテイメントしてると思うけど)無印の「アナザヘヴン」のSFさについてこれても、vol.2の「ムー」加減というか、「宇宙から来た石」とか「かつて太陽系にあった惑星マルデック」とか「前世」とか「チャネリング」とかに、ついていきたくない人もいる気が。私は信じている訳ではありませんが、面白く読みましたけど。

比べてしまうと最初の「アナザヘヴン」の方がすき。「vol.2」は魂が救われる感じの大団円なんですが、その前は、解決しきれないけれど狂おしい感じがして、より一層好きなのです。