「蛇の形」 ミネット・ウォルターズ B-


文庫にして、530P強。その量を最後まで読みたい!とさせるのだから、物語の持つ力はすごいのだな。と思うのですけれど、ミネット・ウォルターズを2冊連続で読むのはキツかったですー。何かを削られた感じ。

今回の主題は、「20年前の事件」。主人公ラニラは、ある黒人女性=アン・バッツの死に際に行き合わせた。彼女は殺されたに違いないと確信する彼女と、ただの交通事故だと当局は片付けてしまう。

20年経っても忘れていなかったラニラがほりおこす姿は、執念深いとしか言いようがありません。いったい20年前何が起き、アンは何故死んだのか、誰かに殺されたのか。そして、ラニラがそこまでこの事件にこだわるのは何故なのか。


たくさんの何故、何故、何故がほどけ、推論と回想と書簡で頭のなかがぱたんぱたんとミックスされます。人間の裏側、内側、血と肉、内臓の色合いを見せ付けられるような気分になりつつ。でも最後まで読みたかくさせられる力は凄し。