「名もなき毒」 宮部みゆき B-

宮部みゆきの作品は人間が良い」みたいなことを誰か言っていなかったっけ。なんて思いながら読む。
「良く無い人間もいる」「普通の人間のなかの良く無い部分もある」みたいなお話ながら、やっぱり「人が良い」よな、と思ったり。

「誰か」シリーズ2作目といって良いでしょうか。前の事件を踏まえた描写も登場します。なので、「誰か」の時に感じたのと同じ歯がゆさは、全体に対して感じずにはおれませんが。えーと、北村薫の「覆面探偵シリーズ」に感じる歯がゆさみたいな感じ。

宮部さん作品に対する個人的ベストテンの上位に食い込むことはなさそうですが、読んでいる間中の「夢中」な感じは、ほかに譲らないなあ、という感じの一冊。
読後感が、あんまりよくないので、読み返すかちょっと疑問です。