北鎌倉〜鎌倉


気晴らしにでかけようか、と思うのだけれどこの季節にはあまり花も咲いていない。そのうえ、何といっても外が寒い。いったい何を目的にでかけようか、というと、友人が「蝋梅が見たい」という。「ロウバイ」という花を見た覚えはあるけれど、さほどのこだわりを覚えたことがない。手元にある本を引くと、黄色い花を咲かせる木で、明月院が有名である、という。
ということで電車に乗って北鎌倉駅へ降りた。さすがの土曜日のせいか、たくさんの人が降りる。人ごみは嫌いだから、今日の道筋に恐怖を覚えつつも、最寄の円覚寺に寄ってみる。北鎌倉駅に下りるときは、一番近いのでなんとなく立ち寄る寺である。門をくぐるとき、寺に向かって左手にある大きな木は山茶花か椿だと思うのだが、大きな木一面に赤い花をつけることがあって、それは本当に美しい。今日はまだ一つしか花を見ることはできなかった。
敷地が広いせいか、入ってしまえば人はあまり気にならない。ぐるりとまわって外に出ようかとしたところで、弓道をしている人々を見かける。動きも静けさも美しい。全身に筋肉がないとうまく動けないだろうな、と思う。なんて思いつつ、弓道から連想するのは実は映画の「時をかける少女」と、漫画の「NATURAL」だったりして。

線路を越えず左折して、明月院へ。どんどん人は減っていく。さらに左折して歩く道すがら、(葉祥明美術館のあたり)人が並んでいる。「橘」というお店らしい。おいしいのかな?

さらに進むと、ほとんど人が居ない。紫陽花の季節と比べると嘘のよう。入ってすぐ左の茶室のあたりに「水琴窟」があった。私の知ってるイメージと違うけどたしかに水音だけじゃない音がする。木の橋を渡って、進むにつれて良い香りがする。黄色の花が重なるように木に咲いているのが、蝋梅。陽の光に透けてとても綺麗。寒さのせいか、ちょうど良いぐらいに咲いている。何より何より、香りが素敵。梅に似ていて、梅より香る気がする。庭のそちこちにある蝋梅を楽しみながら、ぐるぐるお庭を見て回る。そして、大好きな「丸窓」のそばへ。明月院といえばこれ、というぐらいの丸窓。300円の募金に参加して、中に入ってお茶とお菓子をもらう。ほんとに、この意匠は素敵。


さて、メインイベントがすんだところでおなかをすかせながら鎌倉方面へ。建長寺をちょっと覗こうか、という手前で、右手の斜面で何か写真をとっている人を見つける。鳥居が見える。そんなところに何かあったっけ?ちかづいてみると、急な急な長い階段。けれど、鳥居の手前に敷かれた鉄の門と、「危険・登るな」の文字。「第六天社」という、建長寺を守る四方の神様の一つ、とのことなのですが、その急な階段は、よくわからないけどどきどきする風景でした。ちょっと立ち止まってみる価値はあるかも。

そして、建長寺にひさ〜しぶりに立ち寄り。ビャクシンの木の素敵さは相変わらずです。

鎌倉に出て、ご飯を食べました。「青空デリ」はのんびりできておいしいです。そのすぐそば、「レ・ザンジュ」でチョコレートを試食してみて、宅配手配。駅の反対側に戻って、市場へいって冷やかして、今回の旅はおしまい。

北鎌倉着10時半〜3時鎌倉発、くらいの旅路でありました。