「パラドックス13」 東野圭吾 A−

SFちっくなサバイバルもの。ミステリではありません。
最初の大前提がSFっぽいですが、あんまりその説明とかないので読んだ後??な部分が残ってしまいますが
読んでる最中の次どうなる〜次どうなる〜な力はさすがなのです。
ところどころああいやだなあ、いやだなあ、というものを見せ付けてくれるところが東野さんっぽい。
「とある宇宙規模の力の影響で、ある日の13:13:13に何かおこるかも」という研究結果が出て、
各国の総理とかがそのために動きます。が、実際何が起こるかは予想しきれなくて・・というもの。


以下ネタバレ感想。

結局起こったのは「その13秒間の間に死んだものは、パラレルワールドに飛ばされる」というものでした。
パラレルワールドには死んだ人々しかいないので、ぱっと見「自分たち以外が消えた」ように見えます。いるのは無生物だけ。植物や、すでに調理された動物はありますが、人に触れている物質も消えてます。
そこに存在する13人。主人公格の刑事2人(異母兄弟、お兄さんは出来が良くてキャリア、弟はあまりできがよくなくて所轄)を中心に、生き残ろうとする人々がどうなるか。

「13秒後のゆりもどし」が判明するところとか、その結果とかがちょっとなー、とやはり思うのですが、
ハリウッド映画的な大掛かりさとか、人を適宜殺しちゃうところとかで、ついひきつけられて最後までがんがん読んでしまいました。
やっぱりお兄ちゃんは優秀なんだけどスキになれません。
読みながら「ほかに人々がいない世界」っていうので、北村薫の「ターン」を想像しました。
あとなんだか、アメリカのテレビドラマっぽい。あんまりたくさん見たことないんだけど「HEROES」を思い出してました。兄弟が主軸なところとかー、結局何人かぽろぽろしんじゃうところとか。


ということで
<脳内リンク>
→「ターン」 北村薫
自分しかいない都会のまんなか。