「涙」上下巻 乃南アサ B+

東京オリンピックの頃の昭和時代が、自分は知らないはずなのに懐かしくて好き。
明治〜大正がすきだな、と思うのと似ていて、東京オリンピック大阪万博の頃の日本の風景ってすごく好き。
ちょうど「RURIKO」を最近読んでいのも、同時代でよかったみたい。

東京オリンピックの開会式前夜。主人公の婚約者が、謎の電話を最後に失踪する。
婚約者は刑事で、謎の事件に巻き込まれたらしい。
わずかな手がかりを追って、お嬢様なはずの主人公が彼を追いかけるお話。
にぎわう熱海、川崎のドヤ街、大阪の町の違い、福岡、炭鉱、そしてまだ返還前の沖縄、宮古島
読みながら、これってすれ違いのメロドラマ、なのだなーと思う。
恩田陸の作品の中で、作家の登場人物が言ってたのって、こういうものかな?


<脳内リンク>
東京オリンピックで、美空ひばりが結婚でのころ。
→「RURIKO」林真理子
・「メロドラマ」の定義を思い出したので。
→「木曜組曲恩田陸