「魍魎の匣」 B+

ついついみにいってしまったです。なんだかんだいってもファンだったからー。ここひさしく、映画を見ていなかったし、映画おさめがこの作品になりました。

永瀬関くんがかなりお気に入りだったので、椎名関くんはちょっとなー、というのがあり、
阿部榎さんはどーなんだよ、田中あっちゃんは気に入らないんだよ、京極堂木場修もなあ、
と関くん以外はほとんど気に入っていなかったのに、
おやおや今回は結構見に来てよかったよ。
いろいろあるけど。
と思いました。楽しめることが一番なのだ。
しかししかし、原作とはいろいろ程遠いとは思いましたがー。事件の起こる順番とか違うよね?と自分の記憶を掘り起こそうとしましたが、最後に読んだのが何年前だ・・読み直さないと、正確なところはわからないと思います。
あと、コメディタッチな方面でまとめているのが、個人的には好きでした。シリアスもとめると腹が立つかも。
さんざんいわれているようですが、木場修はいっそいらなかった。
カナコがあんまりかわいくなくて、ヨリコのほうがかわいかった。ボクっこだったの忘れてた。
阿部・椎名・堤の同級生トリオが並んでてうっとりするひとには多分おすすめ。
でも各所各所で時々グロいです。四肢裁断とか、猟奇とか嫌いなので、痛かったですー。何がおきるかしっているからかろうじて目を開いていられる感じ。
ということで以下はネタバレ感想。


阿部榎さんが、今回のほうがよかった!もう「わはははは僕は神だ!」なさらさら金髪王子様な榎木津さんではないのだ、と思っていたせいかな。
「なぜ見えるのか」の理由付けがはっきり明示されてるのは好き嫌いだと思いますが、片目に布をかけてる、やせこけた行軍中の阿部榎さんは格好よかった。が、海じゃなっけあれー?
見えている、感じが前回よりとても自然だったし、赤い車を運転している姿は大変に大変に美しかったし、京極堂での姿もよかったなー。
あと、青木くんからうけとった電話に「きばきばきばきばきばきば」という場面はとてもよかったー。ぶつぶついいながら自分の世界、というキャラ作りは完成していたように思います。
クドカン久保は、贔屓目あるかもしれませんが隙でした。イメージはずーっと及川ミッチーだったから、美しさと耽美さにかけてしまう気はしましたが、自らがそんなに美しくない(失礼な)故に、いろいろこだわっちゃう感じはわからなくもない。各所で出てくる載せる帽子とコート姿の後姿は、マグリットの絵画のようにきれいでした。
で、何がすきって「体育館で凧揚げ」で、暴漢から逃げる二人を助けにきて、ばんばん拳銃撃って、「どの凧が好き?」って聞くところですねー。ああ素敵!あれだけで、クドカン久保くんでよかったと思うです。原作イメージじゃないけどねー。
椎名関くんは、コメディな味を残したいなら永瀬関くんよりいいよなー、と思った。「人の話を聞いてない」のに「僕の話を聞いてもらえない」と思っているあたり、かみ合ってないあたり、挙動不審なあたりに滑稽さがあって、その分救いがあるのだな。ご飯の場面とか、荘子京極堂と唱えて、ちょっと京極堂がうるさがる感じとか、箱の中の階段をのぼっててくらくらしているあたりとか、かわいかったなー。
でも原作に近いのは、救いがないのは、殺人犯として牢獄にいれられたらそれだけで死んでしまいそうなのは、永瀬関くんのほうだと思います。猿だしねん。
京極堂は、踊ってましたね・・・・呆然としてしまったよ。あと美間坂教授が絡んでることに気づいて一人でくるくるまわって、柱にごちん、とかね。鎖にぶらさがってぶらぶら、とかね。軍服時代の教授とのやりとりも、お茶目というか若さゆえというか〜。
あと、田中麗奈あっちゃんも今回はうるさくなかった!役に立っていた!格好もかわいかった!ということで満足満足。青木刑事も、うへぇな鳥口くんも、助手の和寅も、いいぐらいだったと思うのですよ。
何より、関・榎木津・中禅寺の3人のパワーバランスがちょうど取れているようで、そのあたり見ているのは楽しかったです。京極堂でお茶のみながら・ご飯たべながら各自が勝手にお話しているの、素敵だった。
しかししかし、それって原作のパワーバランスとは違うよねー、と思い。
京極堂シリーズで2次創作される場合、「明るいコメディ」「耽美やおい」「昏い精神世界」の3つにわかれていたようなイメージがあるのですが、この映画は「明るいコメディ」。榎さんと木場修の幼馴染コンビとか、京極堂が楽しく関くんをいじめてたりとか、そんな世界を実写で見れたわー。というような喜びでした。



あとは、やっぱりあれだなー。わかりやすくするためだと思うんだけれど、事件の時間軸が違うんだもん。「ほう」となく少女を、箱の中の少女を見ないとだめだと思うの。だからこそ「なんで自分が切るとしんじゃうんだ!」になって、自分が声をだそうとしても「ほう」だけで苦しくて、が好きだったのになー。
あとは、「ほう」って、あれですよね。空洞に空気が通るときの、木管楽器のような音のイメージですよね。それだけは譲りたくないなーあー。




ともかくいろいろと思い返してみて。1000円なら、俳優の誰かが好きなひと・キャラ萌え(ただし木場以外)なひとはそれなりに楽しいかな?
さて、どっかに埋まっている原作を一度通して読もうかな。