「ジェネラル・ルージュの凱旋」 海堂尊 B+

面白かった!それでも、バチスタとの読後感の差は、かなりあるんだけど。それだけ処女作が面白かった海堂さんの、シリーズ4作め。
「崩壊」と「凱旋」ということばの選び方は好きかなと思います。
ナイチンゲール」と「螺鈿」で感じた鬱憤が、八割くらい飛んでくれたです。両方読んでいると、パズルのピースがぴったりはまります。「ジェネラル・ルージュの伝説」はちょっと恥ずかしかったけど……でもね、伝説の再現の場面は、やられましたよ。
将軍は口紅を引いて。エピソードを最初に読んだ時、某大作少女漫画の、うののさららのひめみこが頭の中を過ぎりましたことです。

手が届かない感じ、「人知の及ばない範囲」に、手を届かせたい努力と、掠めるように手を届かせる奇跡の感じ。医療の現場に近いひとだからこそ、その感じをもっと見せてくれれば。バチスタの、その感じがすごく好きだったんだなあと思い出しましたよ。
それから、ラストの抱擁は、どこかNHKの朝ドラマみたいだなとか思いました。なぜ。ちょっと恥ずかしいぐらい王道な感じのせいかなあ。

田口&速水の同級生仲間は良いですねー。田口先生の「にやり」、それロン、な感じが大好きなんですよー。

ということで、「ナイチンゲール」とかで、ええー、と離れかけた方にもお勧めな一作でした。
しかし、「ジェネラル・ルージュの伝説」ってなんか思い出すなあと思ったら、あれです。昔むかしのアイドルの曲、「ノーブルレッドの伝説」……なんじゅうねんまえだ。