「殉霊」 谺健二 C+

途中まではB-なかんじで面白かった・・んだけど、最後まで読み通すのにえらい力が要りました。でもここまで来たからには最後まで読むぞ!という感じでもあり・・。
あるアイドルの不審な死。自殺とも事故とも殺人とも判断がつかないその状況に、連鎖反応を起こすようにファンとみられる人物たちが後追い自殺を起こす。それはかつてあるアイドルの死がもたらした反応とあまりにも似ていて・・というお話。

前半は面白かった。「私、神様になりにいくの」みたいな白倉由美の漫画をタイトル思い出せないまま思い出したりしていた。
なのに、中盤から後半につれて、テンションが落ちてしまい、「転」の終にあたるだろう部分は自分でも驚くぐらいさらさら読み流しそうになりました。
「この人物」と「この人物」と「この人物」がこういう意味で怪しい。というのがもっとびっくりできる内容だったら、ミステリ読んでてどきどきするあの感じをもっと感じたように思うのです。
「人を殺す動機なんて、別に理解できるものだけじゃない」みたいな開き直りというか、哲学というか、そんな立ち入れない=立ち入っちゃこっちが危ない、精神を感じますです。