「闇のなかの赤い馬」 竹本健治 C

講談社ミステリーランドのなかの一冊。イラストが大変印象的なのはこのシリーズの良いところ。でも子供にはトラウマにならないのかなー。

で、久しぶりに読んだ竹本さん。今までの何のシリーズとも絡みませんが、竹本さん的世界だなあと思います。舞台はとあるミッション系の学園、その名も聖ミレイユ学園。最後まで中学生なのか高校生なのか判断がつきかねました。どっちだったんだろう。「キョガク」なる世を拗ねた部活動とか、「ツバサ」なるアイドル的美少年とかで、萩尾望都さんの小鳥の巣な世界。いっそ男子学生のみの世界にしてもいいんじゃないかぐらい、先生も含めて女性の気配が薄く。肝心の探偵役さんが元気な女の子なんだけど、真相を手にいれているのにどこか「世界」に入れない道化的な……なんかその感触が切なかったです。