「パプリカ」 A+

原作小説は、出版当時読んだなーと思いながら、今敏監督の作風にはそりゃあまあ合うだろう!と期待していたもの。予告フィルムも目にして、これは楽しむならやっぱ大画面かなーと思って見にいきました。

原作を読み返さずに見に行ったので、ほとんど内容を覚えていなかったのですが(パプリカ=あっちゃんぐらい)ストーリーは表裏一体型の一本道、きっちりわかりやすく。なるほど90分じゃダイジェスト。うまくまとめてあるけど、筒井さんらしいえげつなさ?みたいなものはだいぶはぶかれているような・・(ご家庭全年齢向け?芸術性アップ?)それは「東京ゴットファーザーズ」でも思ったけれど。悪くないけど、なんか妙に健全?なかんじがしました。
ハッピーエンドがすきな癖に、今さんの作品のなかではダントツ「妄想代理人」が好きだったりもするので、なんだか喰い足りない感じは否めません。今監督の作品の中では、一番「妄想」にシンクロするものが多いなあと思う作品だけに・・(刑事さんとか、青空と都市と破壊の風景とか、増殖して侵食するものの姿とか)
あと、「悪夢」の描写があんまり「極彩色の見てると精神が壊れるような悪夢」ではなかったとうのもちょっと賛成な感じ。

などといいつつ。面白くはあった。楽しんだ。綺麗で、格好よくて、音楽とあってて、パプリカ魅力的です。千葉敦子とパプリカと、私はどっちが好きだろう。

そして平沢師匠はつくづく今監督と相性が良いなあ。と思います。なんか音楽とのシンクロに泣けてきたもの。

あ、あと一番気分的にオチをもらった気分だったのはRadio clubのバーテンお二人でした。いや、配役じゃなくて、劇中の狂言回しの格好よさが。