「ナイチンゲールの沈黙」 海堂尊 C-

チーム・バチスタの栄光」でこのミス!大賞を受賞した、同じシリーズの2作目。「バチスタ」が相当面白かったので、かなり期待して購入……したはいいけれど、どうも頁が進まず苦しみ、読み終えてからはほんのり、頭の中を疑問符が飛び交う感じ。

キャラクタの強烈さを引き継いでいるのですが、そのよさを生かしてないし。医療ミステリにこだわり続けていただく必要はないけれど、同じ舞台で繰り広げられる以上、どうしても読みながら期待するだろうし。歌と、病と、病のそばにあるこどもの姿と、犯罪と。捜査方法の半端な「近未来」感も、違和感だけが強くて……途中いくどか強調される、作中作(?)の子供むけ番組のような雰囲気になってます。リアリズムを追え!って訳じゃなくて、だまされきれない感じ……なんか惜しい!

「音楽」や「歌」に力があると、私も思う。けれど、そのものの力を信じすぎた作品はどこかいびつで、だまされきれない。そして、小夜の造形。彼女に同調するか、同情するか、あるいは畏怖できれば、まだ面白かったんだろうけれど……。