「図書館戦争」 有川浩 B

パラレルワールド的近未来。
その世界には「メディア良化法」なる法律が成立、施行されている。つまり「不適切な表現を含む図書は発行禁止」な弾圧が行われている。過激な弾圧に巻き込まれ、ある図書館で大きな被害を出した図書館側は、自分たちの力で防衛できるよう、警察に負けないような「図書防衛員」たちを養成していくことになる。

で、主人公は、その「図書防衛員」のタマゴ。とある「憧れ」を抱いて入った世界で、なぜかある教官に目をつけられて、反抗心むき出しにしてつっかかっていくけれど……

この方はたまたまデビュー作「塩の街」を読んでいました。その時も、初々しいラブさ加減に当時ですらぐらぐらしていましたが、今回はもっともっと元気にラブ。著者ご本人は「月9をめざした」と言っていましたが、あとがきを後から読んだ私は読みながらずーっと「アニメ化にめちゃめちゃ向いていそう」と思っていました。ああとにかく読んでいてこっぱずかしい。ハチクロで出てきた「過去の自分が自分の目の前に現れる」的こっぱずかしさ。いや昔こんなんだったことなんか一度もないんですけれど。つまり、「成長途中」の剥き出しさというのは恥ずかしいわけだ。
だから、「大人組」である、教官さんたちは読んでて楽しかったですけれどね。
「仕事するのに、別に仕事仲間を好きになる必要は無い、嫌いでも仕事はできるでしょう」っていう言葉は非常に当たり前ながら納得するのでした。うんうん。正論好きってことは優しくないってことも。

大変にジュブナイル(というかライトノベル?)です。ので、「大人にも楽しめる」みたいな惹句をいくつか見かけましたが、「かつてライトノベルを親しんだ経験のある人」でないと、読みづらいかも。少女漫画を読む力、に似た、なにか独特な雰囲気がある気がしました。

とりあえず、最近出た第2作も読ませていただくべきでしょうか。面白かったしな。でもでもきっとまた恥ずかしいんだろうなー。