「リアルワールド」 桐野夏生 B-

高校生女子が4人。仲良しでつるんでて、でもそれぞれの気持ちの置き所は別々にある。それが普通。
高校生男子が1人。親は医者。うるさいから、親を殺した。そして逃げる。

みたいな夏のお話。この人の小説を読み始めると、とにかく最後まで読みたくなるのは、坂を転げ落ちていくような感覚が強いからなのではないでしょうか。ごろごろと。「普通の人間は、ずっとずっと坂道だと、ブレーキを踏みたくなるもの」とはまったくの至言。小説はいつでも他人事だから、ただただ最後まで転がっていけるけれども。