スクラップ・ヘブン」 B-

嫌いじゃない。むしろ好き。でもね。だからね。とかいろいろ見た後に、同じく見た人相手にいろいろ言いたいような不思議な作品。
前半の勢いがずーーーっとあればよかったのに、と思うラストシーン。
とにかくかなり早い段階から(ネタバレ伏字→)ファイト・クラブを思い出さずにいられず。え?っていうことは、このひとはもしかしたらこーであーで。そうだとすごく納得がいっちゃうなー。なんて考えてそのオチはいくらなんでも安易すぎでやだなー、しかしそれを上回るラストシーンを想像できないなー、こえてくれるかなーってそればっかり考えていたのがよくなかったと思います。この映画をみてすかっとして、さらに↑の作品を見ていないひとは是非見るべき。

この作品を嫌いじゃないのは多分ただひたすら、加瀬亮がすごくすごくすごくよかったから。ものすごくよかったなー。あの苛々させるっぽい人の感じが良く出ていたです。かんだかくなっちゃう声も、弱さも情けなさも。本当に今更ながらの比喩としてエヴァのシンジ的な。でも良かったなー。オダギリジョーは、加瀬亮の対比にぴったりで。だから、栗山千明の役がどうも今ひとつよくわかりませんでした。彼と彼の距離と違って、彼女はずっと遠いままだったのは何故なんだろう。

けして見た後の感触が良いとはいえないんだけど、あの加瀬亮の姿はよかったなー。でもね、でもあの話ってさ。と話し始めるとエンドレスループしそうな。そして、スクリーンで見てる間はとても集中したし眠くもなかったけど、自宅でみたら多分途中で集中力が切れるだろうな。という作品でした。