『妖奇切断譜』貫井徳郎 C+

明詞(明治、のパラレルワールド的世界?)時代。公家の三男をワトソン役に据えて、美女の切断死体が発見される事件を扱った作品。シリーズもの2作目。シリーズものは基本的に順番に読むのですが、「2作目が面白いんだ」という言い回しに釣られてこれだけ手にとってしまった。この作品だけでも独立して楽しいのですが、ホームズ役の彼の存在感とか人物造形とか関係性とかは、やはり1作目で語られていたのでしょう、という雰囲気あり。病弱な探偵さんはイラストにするとファンがたくさんつきそうな感じです。


で、作品内容。
面白いんです。普通に面白く最後まで読めるんです。でもめっちゃくちゃグロいんです。ホラーは好きなんだけど、あんまりスプラッタは特じゃない私にはやや辛いぐらい。食前食後、もちろん食中は避けましょうね。という感じ。(しかし私は昼ごはんを食べながら読んだ。馬鹿だ。)巻末の喜国氏の解説はとても正しいです。最初の冒頭。を読んで、ときめいたひとはきっとものすごく楽しい。でも血とか切断とか、読めるけど趣味ではないんだよね、というひとはもしかしたら途中で本をぶん投げるかもしれない。江戸川乱歩とか横溝正史とか、久しぶりに思い出す雰囲気でした。