クレオパトラの夢」 恩田陸 A


怒涛の勢いで読んでましたやっぱり好きなんだよね、いろいろ思うけど、な恩田陸さん最近の著作のひとつ。(なんでこんなにたくさんかけるのだろう、しかし。)

「MAZE」と同じキャラクターが出てきます。わたしはこの恵弥というキャラクターにめろめろに弱い。恩田さんのなかにあるひとつの「こういう魂の形がすきだ」的なものにものっすごく共感を覚える。だからつい読んじゃうんだろうなあ。と完全にキャラクター先行して楽しみました。私が、「このひとが居るだけでこの作品が在ることを肯定しちゃうという」作品は、結構少ないのですが。そういう読者を作ったそれだけで成功なのだと思うのです。

対して恵弥の双子の妹のような魂も、このひとはよく書くよなー、と思い。
「嫌いなものも食べなければという強迫観念からついつい嫌いなものばかり食べてしまう」(まるしーいたいけな瞳)ようなひと、は悲しいんだよな……改めて思うのだった。いろんなレベルがあるけれどさ。

ということでオチはけして強くは無いものの、MAZEの恵弥が好きだったひとなら是非、な一冊。あー、このひとの恩田さんのなかのビジュアルがとてもとてもとても知りたいなあ。