「転々」 藤田宣永 B+

転々 (新潮文庫)

転々 (新潮文庫)

映画「転々」が面白かったので、原作にも手を出してみた。
藤田氏の作品て、「鋼鉄の騎士」があるなあくらいしか知らない。なぜか「テロリストのパラソル」書いたひとと混同していた。

これが結構面白く読めたんだなあ。
以下映画との違い部分を中心に、ネタばれ感想。

映画で削っていた部分はなかなかよいセンスだ!と思った。
たとえば、奥さんと「寝なかった」のは自分なのか?とか、本当のお母さんは誰なのか?とか。
さらにいうなら、ストリッパーさんのお話そのまま削ったのは全然あり。

借金取りの男は小説のなかでも風間杜夫がぴったりすぎて、すごいなあと思った。
最後まで読んで、映画のラストシーン、気づいたら警察署にいっているよ、という場面が
より素敵に見えたのだった。

映画より「はっきりあったこと」を書いてあるので、映画→小説の順のほうが楽しめそう。