「薔薇を拒む」 近藤史恵 B

薔薇を拒む

薔薇を拒む

細かいトリックとかがどう、というミステリ書きではなくて、
ディティールとかとりまく雰囲気とか切なさがメインになる。でも嫌いでないのです。
「アンハッピードッグズ」と「スタバトマーテル」を思い出したんだけど、
両方とも粗筋を説明することはできないくらい内容は忘れ、雰囲気だけは覚えています。
あと、恩田陸の「理瀬」が出てくる世界を思い出したな。一カ所に閉じ込められる奇麗で不幸な少年少女たちの姿。
雰囲気と切なさがぴったりくれば面白いと思うのだが、
浸れないとちょっと気持ち悪いだけかも・・・。
とりあえず主人公の考え方はあーんまり好きではありません。
そうか、「彼女もわかってい」てあの状態ということがあり得るのか、と他所様の感想を読んで思い至も、
それはそれで好きになれないなあ・・。
そうだとすると、「ハチミツとクローバー」のラスト選ばれたのをみて「えーー!」となった感じに近いなあ・・
でも面白く読みました。割とあっという間に。一日かからない量。
<脳内リンク>
→「麦の海に沈む果実」「黄昏の百合の骨」 恩田陸
 今回の雰囲気、舞台設定が気に入ったひとにはおすすめ。