「寒椿ゆれる」 近藤史恵 B+

シリーズ3作め。なんだかこの方の文章と世界が安定してきている!!と驚愕。モップの精も安定していてしあわせでおおお、と思ったけれど。
「凍える島」は「スタバトマーテル」で感じた感じとか、「青葉の頃は終わった」とか「この島でいちばん高いところ」のなんともいえない嫌感がぜんぜんない。それを物足りないと思う人もいるかしら。
江戸時代。キャラクタの色がかなりはっきりしてきてますが、それが嫌な感じじゃないなあ・・最後の「寒椿」は恋愛ものとしても結構好きです。ちょっとびっくり。最初の作品をよんだときはここまで好きじゃなかったですが、このシリーズそのものも気に入りました。
そいういえば「タルト・タタンの夢」も「サクリファイス」もよかったもんなあ。すごいなあ。
「ねむりねずみ」に最初ほれ込んだときとは違うベクトルで、好きです。
しかしこの作品からさかのぼって最初の作品とか読むと、結構ショックなのではあるまいか。
<脳内リンク>
→「巴乃丞鹿の子」「にわか大根」 近藤史恵
 このシリーズの前2つ。
→「初ものがたり」 宮部みゆき
 なんとなーく宮部さんの江戸ものの入門編として。「あかんべえ」「ぼんくら」も名作ですよね。