「エデン」 五條瑛 A+

やー、面白かった!思いっきりヒット!っておもいながら読みました。五條さんのお話で今のところこれが一番好きです。近未来で、クローズドサークルで、ミステリです。
ストリートで「涅槃」というグループのリーダーのひとりだった亞宮が、とある施設に収容される物語。普通の監獄と違う場所に亞宮は戸惑う。自分は「思想」も「政治」も興味がないのに、そこに収容されているのは「思想・政治犯」ばかりだった・・
その施設の所長の過去の汚点である「日比谷暴動」はこの施設とかかわりがあるのか。所長の思惑とはいっったいなんなのか。
みたいな感じでしょうか。
とにかく、施設のありようだけでも面白かった。「F1」「F2」などと階ごとに区切られた国民性の連動とか、物資のやりとりとか。人間関係そのものも。
謎解きとしてのカタルシス(終わりがやや見えている感じの、うまい見せ方もふくめて)すばらしい。ああ、こういう作品がもっと読みたいですねー。