「銀の鬼」上中下巻 茶木ひろみ C+

子供の頃に読んで怖かったお話。しかも自分が読んだのは一話分だけで、(どこかの待ち合いとかで、雑誌で読んだんだろう)でも結構覚えていたのです。書き下ろしつきの漫画文庫になっていました。途中だけ読んだとか最初だけ読んだとか、銀色の鬼のことをなんとなくおぼえてるとか、そういうひとは是非通して読むべきだと思います。非常に時代がかった少女漫画で、この当時のマーガレット?とかはぜんぜん読んでなかった人間なので、ある意味異文化を覗き込むような面白さもありました。

私が覚えてたのは「鬼毒酒を飲むと鬼は死ぬ」「鬼は女の心臓を食べる」という2点。しかし絵柄は結構しっかり覚えていた(作者名はしらなかった)のが、インパクトすごいなー!ということですごい作品なのでしょう。
読了後、やや放心しながらネット上の感想を探ったら、やっぱりそういう「かつて一部だけ読んでた」とか言う人が多くて、なんか共感しました。
以下ネタバレ感想。

とりあえず、話の展開とか、キーワードとかすごい!と思いながら読みましたよ。「お前は神だ」って言い出したとき、どうしようかと思った。あと主人公、もてもて。ほんと総モテ状態。かつての少女漫画ってこんなだったのー?ってことが時々気になったり。
でも、とりあえず、「甘いものがすきな鬼」はときめきましたー。
私が覚えてたのは、ちょうど真ん中あたりでした。
京都のお菓子屋さんのおにーさんが鬼毒酒づけになって、喰われて死ぬところ。
あれが怖かったんだよね。
毒をくらって、それを喰わせて、相手を殺す。
なんかすごくロマンを感じる・・のはやばいかしら。
青い鬼が居たのもなんとなく覚えてます。
こんな中途半端な一話分だけ読んで、ずーっと覚えていたんだから、ある意味とてもインパクトと、中毒性のある、危険なお話。お話としての本分は、果たしてる。すごいなあ。
あ、その分、喰われたおにーさんが復活してたのには驚いた。似た別人なのかよ!!と思った。
(あ、主人公に似たひとが3人出てくるのも笑った。。)

そして、。作者さんの文庫あとがきにも、似たような力がありました。