「イントゥルーダー」 高嶋哲夫 B-

タイトルは、なんとなくハリウッド映画みたいな。
読後感は、家族小説と企業小説があわさったような。
感動よりも、物悲しさが勝ってしまったのがちょっと哀しい感じ。

「M8」が面白かったので、代表作に手を出してみました。文庫化してました、サントリーミステリー大賞。
『深夜の電話で、自分に息子がいて重体であることを知らされた私…父と子の絆の切なさ、コンピューター犯罪を描いて全選考委員激賞!!』というのが惹句。
期せずして、「知らない自分の子供が居た」という作品を二つ続けて読むんだー、と思いつつ。
主人公は、日本を代表するエンジニアで副社長。大事な作品(コンピュータプログラム)の発表を控えて忙しくて、でも家庭は普通に営んでて、娘がいて。なのに突然飛び込んできた、かつての恋人からの「あなたの子供が事故にあった」という電話。
そして、主人公はあったこともない息子に引かれるように事件に巻き込まれていくのです。
で、読後感は先述のとおり。
やりきれないいろいろが、きっと本当にあったんだろうけど、哀しいんだよね。
それから、なぜか岡嶋二人を思い出した。。
そして、最後の最後が、親父萌えな人間にはちょっとときめき……いやいや。


以下ネタバレ感想。

とにかく、柏崎刈羽原子力発電所のことを思い出さずにいられないテーマ。自分が手を出したのは、ある意味大変にタイムリー。もともと、原子力研究所に居たんですよね・・このかた。
M8のことも含めて、色々考えてしまうわー。