「M8(エムエイト)」 高嶋哲夫 A

面白かった!
何か知らない小説を読みたくて読みたくて、本屋で手に取った知らない人。手にとったのは実はちょうど
福井晴敏地震小説を買った日だからだと思います。
で、結論から言うと、ぜんぜんこっちのが面白かったのです。書かれた目的が違うことを差し引いてなお。
「M」は「マグニチュード」のM。地震の恐怖と興味は、私の深いところにあって、特集されているとついつい気になってしまう。その恐怖と、人に立ち向かえたらいいなという希望の、バランスの良いところで物語があって、読んでいて本当に嬉しかった。文庫本にして500P以上のもの、一晩で読んでしまいましたよ。

神戸の震災の辛い記憶を持つ主人公は、物理学研究者となり、地震予測の研究を行っている。そしてつかむ「予測」を手に、どのように大きな震災に立ち向かおうとするのか、というお話。

どこかハリウッド映画みたいな大きさで、でも真剣で。中心に居るのが研究者なのが、非常にツボ。「日本沈没」の、最近できた映画版が好きだったひと(なんてものすごく限定されそう)には、面白いから読んでくださいなーといいたい感じです。