「崖の館」 佐々木丸美 C+

旅で読みましたな本。何のきなしに古本屋でほいと手にとって、ぱらぱらと文章を見ただけ。作者紹介もあらすじ商会もほとんど見ずに読んで、そして最後にこの作品が世にでた年を知って驚きました。1975年作という、時代の違和感はあまりなくて。時々、古めかしいなあとか、もってまわっているなあと思ったけど、そういう作家さんもいるもんね。
「館」で「東京創元文庫」というだけで買いかな〜、という単純な自分には、ほどほど楽しめた作品。ただ、どこまでも少女で少女。登場人物たちが自ら飛び込んだ閉鎖空間と、裕福すぎて働かなくていい叔母と、その美しい養女。彼女をとりまく6人のいとこたち。「七人のおば」をちょっと思い出しつつ、あと、近藤史恵女史の「凍える島」とか思い出しました。
トリックやらなにやらよりも、雰囲気重視。そして少女世界。が好きな方はぜひ。
とりあえず3部作らしいので最後まで読んでみようー。