「キッドナップ・ツアー」 角田光代 B-

この方の小説はじめて読みました。普通に面白かったです。
主人公と同じぐらいのひとが一番楽しめるような気がします。

主人公は小学生。小学生目線の一人称、ちゃんと破綻してない感じ。
彼女の両親は離婚していて、母親に引き取られている。
ある日、父親が彼女を「ユウカイ」しにやってきた。
「ある夏休みの逃避行」のお話。

どうもダメ父らしい彼との、手際悪く、貧乏っぽい道行。
「ユウカイ」の条件は主人公には想像できず、「交ぜてもらえず」、その切ない感じが秀逸だと思います。

宿坊の場面と最後の電車の中が好きです。