「おまかせハウスの人々」 菅浩江 B-


近未来・ファミリー・SF。短編集。連続した物語はありませんが、同じ世界観があります。何か懐かしい感じがするなー、と思ったのは、どうやら星新一さんの描いていた世界を思い出したようです。連続しないけれど「近しい未来」のヴィジョン。とりあげている主題が「家族」であること、一人称であり、主観の人間っぽい感じが菅さんの方が近いこと、から、同じではないんだけど、似ているなー、と。

未来SFが、アカルイミライを映し出しているわけではないのは、ちょっと切ないなー。という感じの小説でした。

なかの一つ、「純也の事例」のなかにあった一つの台詞が、なんだか心に残る。
「その時にはまた、別れる別れたくない音頭をふたりで踊りますから」
だから、もうちょっとじたばたさせて、という言い回し。なぜだか、懐かしい感じの、好き。