支那そば館の謎」 北森鴻 C-


よくもわるくも軽い連作ミステリ。「裏京都ミステリー」を名乗るだけあって、地元に住んでる人でないとわからなそうな京都の風情が伝わってくるし、この人の書く料理は相変わらずとてもおいしそうだし、雰囲気はステキ。
主人公は「裏稼業」から足をあらい、不思議な縁で貧乏寺の寺男としてかつかつ生きている「僕」。彼を拾ったものすごーく徳の高そうなお師匠さまは良い味を出しています。現在は昔のことなどなかったようにほわーんと生きてる「僕」ですが、彼が怒ると裏モード「俺」が出現します。ってあたりに昔懐かしい少女漫画(「なかよし」とかの感じの)のニュアンスを感じたりして。流麗な絵柄で漫画にしたら結構うけそう。途中から今市子さんの絵柄で想像してました。(なんとなく贅沢)つっこみ役の女性記者さんが超気が強いし、ぴったりぴったりー。