「街の灯」 北村薫 B+

久しぶりに北村薫で感動した!
というのが驚きでした。「六の宮の姫君」がものすごく大好きなのは今でも変わらず。覆面作家シリーズはあまり好きではなく、「ターン」は割と好き。「盤上の敵」でなんとなく疎遠になった、という感じだったのですが。

舞台は昭和一桁の世界。学習院女子部に通っている、多分高等科くらいの感じのお嬢さんが主人公。裕福な社長の娘で、伯爵家のお嬢様のお友達がいて、ちょっとやんちゃで、文系って感じのお兄さんがいる。
主人公の女の子に感情移入することなどありえないなあと思っていたら、彼女でなく伯爵家のお嬢さんが好きになりました。
時代の雰囲気はほんのり伝わる感じ。昭和の大戦の前の日本の雰囲気が好きな方におすすめです。でもなんというか、甘やかです。