「モップの精は深夜に現れる」近藤史恵 B

さわやかーなコージィミステリ。近藤さんの作品のなかではいっちばんサワヤカで読後感がよくて一般受けするのではなかろうか。そしてドラマ化とか漫画化とかに向いているのではないだろうか。穏やかになったなあこのひと。とか妙に関心してしまいました。だから、この作家さんのどろどろ(凍える島に代表されるような)がスキな人にはさぞ物足りないことでしょう。しかし、さわやかーにちょっと前向きになりたい、めちゃめちゃ寒い日にコンビニに飛び込んで暖を取ってちょっと甘いもの買っていきたいようなときにはおすすめかも。(と言いつつ、事件そのものを思い出したらやっぱり事件そのものは結構どろーんとしているかも・・・)


読み終わってから、吉野朔実の「恋愛的瞬間」の、夜中掃除婦をしている女の子の話を思い出しました。あの子が天使になったらこんな感じ?うまーれーてこーなけーればー(あの話は、瞳子に通じる”ちょっと嫌なの”感が私にはあるんだけど)